竪琴のゆくえ

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山の麓で育った少女セイラは

大人になって歳の近い青年と出会う

少女は彼から竪琴を習い

お返しに少女は彼に本を与えた


そうやって数年は穏やかに時が過ぎた

しかしある時セイラは青年を追いかけて

彼の世界へと飛び込むことを決めた

が、そこは魔の国だった


セイラは命からがら逃げ出し

すべて忘れようとおもった

しかし彼女の周囲の人たちが

捨てられた恨みを抱く青年の手によって

ひとり、またひとりと身代わりに連れ去られ

ついに全員が彼女の敵に回った


青年は何もかも失ったセイラを哀れに思い

彼女の影の後見者になった

セイラは青年の意思を継ぎ

同じように何もかも失った彼の

前身の代行をつとめた


二人はその後何年も何年も

光と影の役を分かち生きることとなる

どちらが光でどちらが影か

それは傍目にはわからないけれど

いまだ二人一役を演じ続けている


(Short story)






詩は有声の絵、絵画は無声の詩

~吟遊詩人~オンディーヌのblog

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